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2025.07.07

【2025年最新】先進的窓リノベ事業で賢くリフォーム!変更点や補助金額を解説

近年の光熱費高騰や、脱炭素社会への移行など、環境意識の高まりを受け、住宅の省エネルギー性能向上に対する関心は高まっています 。住宅におけるエネルギー消費を抑えるうえで、重要な対策の一つが断熱性能の強化です。
特に、住宅の中で熱の出入りが最も大きいとされる「窓」や「玄関ドア」といった開口部の断熱化は、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境を維持し、冷暖房費を削減するために極めて効果的です 。
こうした国民の取り組みを強力に後押しするため、国土交通省、経済産業省、環境省の3省が連携し「住宅省エネ2025キャンペーン」と銘打った大規模な支援策を展開しています 。
このキャンペーンの中核をなすのが、本稿で詳説する「先進的窓リノベ2025事業」です。これは、既存住宅の窓やドアといった開口部の断熱改修に特化し、高い補助額で重点的に支援を行う制度です 。

先進的窓リノベ2025事業の概要


【対象となる工事】
対象となる工事は、以下の4種類に限定されます 。
ガラス交換:既存の窓枠はそのままに、ガラスのみを高性能な複層ガラスなどに交換する工事。
内窓設置:既存の窓の内側にもう一つ窓を新設し、二重窓にする工事。
外窓交換:既存の窓を撤去し、新しい窓を設置する工事。これには、既存の窓枠の上に新しい窓枠を被せる「カバー工法」と、壁を壊して既存の窓枠ごと撤去する「はつり工法」の2つの方法が含まれます。
ドア交換:玄関ドアや勝手口ドアなど、外皮部分のドアを断熱性能の高いものに交換する工事。外窓交換と同様にカバー工法とはつり工法があります 。
特に重要なのは、ドア交換に関する条件です。ドア交換が補助対象となるのは、窓の改修と同一の工事請負契約内で実施される場合に限られます 。したがって、ドア交換単独の工事では本事業の補助金を受けることはできません。
【補助金額】
補助上限額:一戸あたり最大200万円です 。
申請下限額:一回の申請における補助額の合計が5万円以上であることが必要です。これを下回る小規模な工事では申請できません 。
算出方法:補助金総額は、設置する個々の窓やドアに設定された補助単価の合計で決まります。各製品の補助単価は、「①工事内容」「②性能グレード」「③サイズ」の3つの要素の組み合わせで決まる定額です 。工事費の1/2相当額が目安とされていますが、これはあくまで目安であり、実際の補助額は後述の補助単価表に基づいて厳密に計算されます 。
本事業の補助金額は、計画を立てるうえで重要な要素です。正確な算出方法を理解することで、費用対効果の高いリフォーム計画を立てることが可能になります。

【2024年度との違い】
■変更点1:対象範囲の拡大 ― 「ドア」が補助対象に
最大の変更点は、窓リフォームと同一契約内で行う場合に限り、断熱性能の高い玄関ドアや勝手口ドアの交換も補助対象に加えられたことです 。これにより、住宅の開口部全体を一度の工事で総合的に断熱化する「ホールエンベロープ・アプローチ」が可能になりました。

これまで窓の断熱化を行っても玄関ドアから熱が逃げていた課題を解決し、より効果的な省エネリフォームを実現しやすくなった点は大きな進歩です。

■変更点2:補助額の再調整 ― 内窓Aグレードへの補助金大幅削減
2025年度では、補助単価に戦略的な見直しが入りました。特に影響が大きいのは、内窓設置におけるAグレードの補助額が大幅に削減された点です。

例えば、中サイズのAグレード内窓の補助額は、2024年度の36,000円から2025年度は18,000円へと半減しました 。Sグレードの補助額も若干引き下げられましたが、Aグレードの削減幅は突出しています 。

内窓設置は比較的安価で人気のあるリフォームですが、2024年度はAグレードでも十分な補助が出たため、「そこそこの性能で可」とする選択がなされやすかったと推察されます。

政府は、より高い断熱性能を持つSグレード以上の製品への移行を強く促すため、Aグレードの魅力を意図的に下げたのです。これにより、消費者はAグレードとSグレードの自己負担額の差が縮小し、より高性能なSグレードを選択しやすくなります。

■変更点3:対象要件の厳格化 「極小窓」の対象除外
2025年度から、ガラス面積が0.2㎡未満の「極小窓」は補助対象外となりました 。これは、エネルギー削減効果が比較的少ない小規模な改修に予算が割かれるのを防ぎ、より影響の大きい工事に資源を集中させるための措置と考えられます。事務手続きの簡素化という側面もあるでしょう。

■変更点4:手続きの革新 「交付申請の予約」制度の導入
新たに「交付申請の予約」制度が導入されました 。これは、工事請負契約後、工事の完了を待たずに、あらかじめ補助金の予算枠を確保できる仕組みです。

例年、本事業は非常に人気が高く、予算が早期に上限に達するリスクがありました 。この予約制度は、そのリスクを大幅に軽減し、住宅所有者と事業者の双方が安心して工事を進められるようにするための重要な改善点です。

補助金申請の期間と手順



【補助金申請の受付期間】
■対象工事の着工期間:2024年11月22日以降に着手した工事が対象 。

■事業者登録:随時受付中 。

■交付申請の予約期間:2025年3月下旬(予定)~ 2025年11月30日まで 。

■交付申請期間:2025年3月下旬(予定)~ 2025年12月31日まで。ただし、予算上限に達し次第、早期に終了予定。

・申請に必要な書類
この補助金の申請手続きは、住宅の所有者自身が行うのではなく、事業者として登録された施工会社が行います。そのため、住宅所有者は事業者と「共同事業実施規約」を締結し、手続きを委任する形になります。

住宅所有者が準備する必要がある主な書類は以下の通りです。

1.本人確認書類: 住民票の写しなど
2.工事請負契約書の写し
3.工事箇所の写真

これらの書類を事前に準備し、スムーズに事業者に渡せるようにしておくと、申請が円滑に進むでしょう。

・申請後の流れ
補助金が交付されるまでの大まかな流れは、まずリフォーム会社などの登録事業者と工事請負契約を結ぶところから始まります。工事が完了した後、事業者が住宅所有者に代わって交付申請を行います。

申請後、事務局による審査が行われ、無事に通過すると「交付決定通知」が事業者に届きます。その後、補助金が事業者に振り込まれ、最終的に事業者から住宅所有者へと還元される、という仕組みです。

還元方法は、工事代金に充当されるケースが一般的ですが、現金で支払われる場合もありますので、契約時に事業者へ確認しておきましょう。

先進的窓リノベ2025事業は他の補助金制度と併用できるのか?



一つの工事箇所に、国の補助金は一つまで」というのが基本的なルールです 。例えば、リビングの窓一つに対して、「先進的窓リノベ事業」と「子育てエコホーム支援事業」の両方から補助金を受け取ることはできません。

一方で、一つのリフォームプロジェクトの中で、工事箇所が異なれば、それぞれに異なる補助金を適用することが可能です 。これが、補助金総額を最大化する「積み上げ(スタッキング)」戦略です。

具体的な活用例は以下の通りです。

■窓と玄関ドアの改修 → 先進的窓リノベ2025事業を利用(これらの部位に対して最も高い補助額が設定されているため)

■外壁や床の断熱工事、浴室の改修 → 子育てエコホーム支援事業を利用(対象工事の範囲が広いため)

■高効率給湯器への交換 → 給湯省エネ2025事業を利用(給湯器に特化した支援のため)
また、国の補助金制度と、都道府県や市区町村が独自に実施する補助金制度は、原則として併用が可能です。ただし、その地方自治体の補助金の財源に国費が充当されていないことが条件となります 。

居住地の自治体で利用可能な補助金制度や併用の可否については、事前に自治体の担当窓口に確認しましょう。なお、自治体向けの補助金は、利用者自身が申請するケースも多くあります。


まとめ


「先進的窓リノベ2025事業」は、窓や玄関ドアの断熱リフォームを検討している方にとって、費用負担を大幅に軽減できる貴重な機会です。ただし、補助を受けるには、対象となる工事内容や性能基準、申請期間などの条件を正しく理解しておく必要があります。

また、2025年度からは玄関ドアも対象となり、交付申請の予約制度が始まるなど、利用者にとって有利な変更も加えられました。申請手続きは施工業者が主体となって進めますが、制度をよく知り、信頼できる事業者と早めに相談を始めることが成功の鍵となります。

この補助金制度は、単なるリフォーム費用の割引ではありません。国が未来のエネルギー需給と環境を見据えた施策です。これらの趣旨と仕組みを理解し、賢く活用することで、個人の経済的利益と、より大きな社会的目標への貢献を両立させることが可能となるでしょう。


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